「本当に」落ち着く場所

2018年10月15日

KONcierge

先日常連のお客様からこんなお言葉をいただきました。

「このホテルは本当に寛げるというか、心が落ち着きます。」

接遇をしている身からすると

このようなお言葉を頂けるのは一番幸せなことなんですが、

このお言葉を頂いたあとふとこんなことを考えてみました。

「自分にとって一番落ち着く場所はどこだろう」

普段何気なく生活している中でこの問いを自問する人は

あまりいないんじゃないでしょうか。

感覚では「落ち着くなあ」と思ったりするけれど、

いざ真剣に考えてみると意外と悩む問いです。

まず僕は自分にとっての「落ち着く」とはどういう感情のことかを考えてみました。

普通に考えれば一番「落ち着く」のは自分の今暮らしている家のはず。

仕事から帰ってきても、飲んでから帰ってきても家についたら一安心。

他の誰にも見られることなくありのままの姿でいられる場所です。

でも、この「落ち着く」が果たして「寛げる」とか、

心までもを落ち着かせてくれるかと言われると、

少し違うと思うんです。

やらなければいけない仕事を家まで持って帰ってきてしまった時なんかは

家じゃ全然寛げません。

むしろやらなきゃいけないことと、

サボろうと思えばいくらでもサボれる環境との狭間の中で

とても苦しい状況です。(笑)

出勤前の家もそこまで寛げる環境ではありません。

満員電車の想像をしながら着替える時なんかは

むしろ苦痛の方が大きいかもしれません。

そう考えると、少なくとも僕にとっては「落ち着く」という感情は

「一息つける場所」とイコールにはならない。


つまり心まで「落ち着いて」いられる場所は今暮らしている家ではないし、

今の家はあくまで一番「楽」な場所。

じゃあどこだったら何からも追われることなく、

心を「落ち着かせ」て寛げるだろう。

考えた結果出た答えは「実家」でした。

僕は青森県出身で、今はこっちで一人暮らしをしているので

実家には一年に一回帰れるか帰れないかくらいです。

大学の時に上京してきたので、

実家から離れてかれこれ7,8年経つのですが、

18年間暮らしてきた場所というのは今でも懐かしく感じるものです。

「実家」と聞いてまず思い浮かべるのは、

雪が降り積もっている極寒の外から家の中に入った時のあのぬくぬく感です。

そしてリビングに行くやいなや半纏を着たおばあちゃんが

あれ食べろこれ食べろとしきりに構ってくる風景。

終いにはお願いしてもいないのに昔懐かしい和菓子をどこからともなく

出してきて、使い古された急須で緑茶を入れてくれます。


この急須で淹れてくれるお茶がまたいいんですよね。

僕らのおじいちゃんおばあちゃん世代が若かった頃は

まだペットボトルがそれほど普及していなかった時代ですし、

ジュースも今ほど簡単に手に入るものではなかったと思います。


だから少し振舞う時に出す飲み物が「お茶」になるんでしょうけど、

ペットボトルではなく急須で淹れてくれるのがすごく温かい感じがします。


実家で暮らしていた時には正直「うざったいなあ」と思ったりもしていましたが、

一人暮らしを始めてからはそれが恋しくてしかたがありません。

皆さんにも実家や親戚の家でのこんな経験ありませんか?

必ずと言っていいほどおばあちゃんが出してくれる急須で淹れたお茶やお菓子、

親戚のおじちゃんがいつも着ているズボンや半纏。

普段何気なく触れていたものでも、改めて考えてみると

心に平穏を与えてくれるものだったりします。


僕らがおじいちゃん、おばあちゃんになったときも、

子ども達にそう思ってもらえるような

なにか「温かみ」を感じるものを持ち続けられたらいいですね。


皆さんにとって「本当に落ち着く場所」はどんなところですか?


KONcierge

P.S.

普段行くカフェが落ち着く場所だという人もいますよね。

1899もそういう店を目指して頑張っていきます。